金は長期的な弱基調に突入

著者:齋藤 和彦
 パウエル米FRB議長の議会証言後、ナスダック指数は24日まで3営業日連続で最高値を更新しているが、早期利上げ観測が後退したためである。

 対照的にNY金は足踏みを続けており、米FOMC声明前の水準から100ドル下げの3分の1戻りを前にして売り直されるなど、上値の重い展開を強いられている。

 金市場の参加者にとっては、早期利上げ観測後退よりも、いずれ量的緩和の縮小(テーパリング)が実施されるとの見方が支配的で、7月に入って整理商いを迎える期近8月限の玉の乗り換えを踏まえた動きをみせ始めているとも考えられる。

 金期近8月限の整理商いは7月に入って活発化する。期近12月限への玉の乗り換えが中心となるが、その期近12月限は金市場としては唯一、取引中心限月として4か月も取引される。それだけ、より長期スタンスで仕掛けられる傾向がある。例年、買い進まれる傾向が多いが、今年に関しては、今後のテーパリング懸念から、期近8月限から期近12月限への買い玉の乗り換えは極めて消極的にならざるを得ないと考えられる。

 このため、7月に入っての期近8月限の整理商いの中心は買い玉整理となる。その整理売りを警戒して、第2四半期末である6月末にかけ、NY金市場での手仕舞い売りが催促されることも予想しておきたい。


NY金期近8月限日足と100日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/