海外原油は底固い展開へ

著者:齋藤 和彦
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 WTI期近10月限は2日、期近ベースとしては8月6日以来、10月限ベースとしては8月4日以来の70ドルの大台に急伸している。ハリケーン「アイダ」によるリスク警戒で69ドル台半ばまで買い進まれていたが、67ドル台での下値固めをキッカケにして急伸。NY石油製品の強調地合いが支援材料になっていたとみられる。

 米国は6日、レーバーデーのため祝日となる。週明けのかけての3連休は例年、ガソリン需要が増加する傾向にある。そのガソリン需要の増加観測を好感し、WTI期近10月限は70ドルの大台示現を果たした。

 ただ、米エネルギー省が石油戦略備蓄の中からエクソンモービルに原油150万バレルを貸与することを明らかにしたこともあり、70ドル台からその後、値を消している。

 8月29日に米ルイジアナ州南東部にハリケーン「アイダ」が上陸し、大洪水と後半に渡る停電をもたらしており、停電の長期化も指摘されている。

 米ルイジアナ州のほとんどの石油関連施設が操業停止したままで、市場では石油の供給不安が指摘されていた。しかし、その他地域の原油増産や石油製品の増産の動きから、一時的に供給不安も解消に向かい、67ドル台まで急落する場面をみせた。

 しかし、米レーバーデーを意識してまた買い直され、その結果、70ドル台に急伸している。その逆をいえば、3連休を過ぎると、ガソリン需要の後退も予想されるため、WTIやNY石油製品の調整局面も予想される。


WTI期近10月限日足と20日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

フジトミ証券(株)企画部情報サービス課チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/