金の強調地合いはまだまだ続く

著者:齋藤 和彦
 NY金の強調地合いはまだまだ続きそうだ。

 トランプ米大統領が中国からの一部輸入品に9月1日から10%の関税を適用することを明らかにしてから、金の急伸が始まった。その後、米国は中国を為替操作国に認定、中国も米国産農産物の一部輸入停止を発表しており、米中の貿易摩擦のリスク拡大懸念の長期化の様相を呈している。

 8日には、中国による農産物の輸入を停止に対抗して、米国はファーウェイへの取引ライセンス決定を先送りすることを明らかにしている。歩み寄りは全くみられず、世界経済への悪影響は避けられない。

 NY金は安全資産として買い進まれ、2013年4月の高値水準まで急伸しているが、その4月当時の最高値は期近ベースで1604.3ドル。2011年9月には1923.7ドルの高値を示現していたことを踏まえると、値位置的に1500ドル越えの水準は割安とみられ、まだまだ上昇余地は残しているとみられる。

 注目はNY金の取引中心限月が期近12月限に移行したことである。12月限だけが4か月間、取引中心限月となるため、ファンドも長期スタンスでの仕掛けが可能である。これも長期スタンスでの買いを助長する要因になっている。
 

 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/