金急落も、まだまだ下げ余地あり

著者:齋藤 和彦
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 16日のNY金は大幅安を演じ、期近12月限としては8月12日以来の1750ドル割れをみせた。21日、22日に予定されている米FOMCにおいて、米FRBの量的緩和の縮小(テーパリング)が実施される可能性が高まったためで、金市場からの資金引き揚げが加速し、大陰線を形成している。

 これまで、今回のFOMCでのテーパリング見送り観測や弱気な米経済指標を背景にして何度も1800ドル台回復をみせてきたが、結果的には売り場提供となってきた。

 米FOMCを間近に控えて、今回の米FOMCを含めて、年内3回の米FOMCのいずれかで、テーパリングが実施されることは、パウエル米FRB議長が指摘したようにほぼ確実視されており、米国株価の高止まりや原油相場の急伸によるインフレ懸念を背景にして、今回の米FOMCでのテーパリングが有力視されている。

 もし、今回の米FOMCで見送られたとしても、いずれ実施されるため、買い戻しに上伸しても、これまで同様、売り場提供となる。

 欧米では3回目のワクチン接種の動きが始まっており、デルタ株の感染拡大による経済活動への影響も極めて限定的。米国では雇用不足も生じており、テーパリングは避けられない環境ともいえる。

 先日、シティグループは第2四半期にNY金は1700ドルで落ち着くとの見通しを示したが、これもテーパリングを背景にしている。


NY金I期近12月限日足と200日移動平均線

 金標準はNY金の大幅安を映して6100円台まで急落しており、今月の高値から300円も急落している。しかし、NY金の1700ドル水準を踏まえると、6100円割れも十分考えられる。NY金の下げ余地はまだ残されているとみるべきで、急落しているが、売りスタンスは堅持すべきである。

 

 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

フジトミ証券(株)企画部情報サービス課チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/