金の長期的な弱基調に変わりなし

著者:齋藤 和彦
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 11月からの米量的緩和の縮小(テーパリング)が決定し、2022年半ばまでには完了する予定である。また、利上げも2023年から2022年に前倒しすることになった。

 一連の米金融政策の道筋が示されたこともあり、NY株価は急伸し、株高を好感して米長期金利は1.43%台まで急上昇している。

 その結果、NY金は米FOMC声明発表後に1780ドル台後半まで急伸したものの、結果的に売り場提供となり、高値から50ドルも急落している。

 テーパリングが先送りされたこと、利上げに対する米FRB理事の見方が分かれたことから、金は一時急伸したが、テーパリングや利上げの時期が示されたことで、金は下げるべくして急落している。

 ところで、中国の不動産大手の恒大グループの経営危機が高まり、週明けのNY株価が急落し、金がヘッジで買われる場面がみられた。中国政府が地方に対して、恒大グループの破綻に備えることを示唆するなど、引き続き、状況は厳しいといえる。

 ただ、米国の金融機関による恒大グループへの融資はほとんどなく、直接的な金融不安の影響は考えにくいとみられている。ただ、市場心理の悪化も警戒されるため、株価の不安定な要因であることは確かある。


NY金I期近12月限日足と200日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

フジトミ証券(株)企画部情報サービス課チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/