10月初旬の原油相場は売り買い交錯

著者:齋藤 和彦
ブックマーク
 OPECプラスは週明けの閣僚級会合において、11月の産油量を協議するが、本来であれば、日量40万バレルの追加増産で合意する見通しである。ただ、供給タイトな需給バランスを背景にして、原油相場が急伸しているため、11月にはさらに日量40万バレルの増産をプラスし、日量80万バレルの追加増産を検討しているとの情報も流れている。ただ、この案では、12月分の追加増産を前倒しすることになり、12月の原油生産は据え置かれるとしている。

 ところで、9月下旬に入っての原油相場急伸の主因として、OPECプラスの供給不安が挙げられる。特に、OPEC加盟国のナイジェリアとアンゴラ、非加盟国のカザフスタンの供給減が影響し、8月の日量40万バレルの増産目標を達成していない状況が改めて認識されている。カザフスタンにおいては、メンテナンスの影響とみられ、そのメンテナンスも9月半ばに完了しており、今後の増産が期待される。

 ロイター通信が30日に明らかにした9月のOPECの産油量において、ナイジェリアは17万バレル増の日量152万バレル(9月の生産目標は161.4万バレル)、アンゴラは2万バレル減の日量108万バレル(同134.8万バレル)。ナイジェリアは改善しているが、それでも目標から9.4万バレルも下回っており、アンゴラに至っては26.8万バレルも下回っている。設備不良や資金不足、人材不足などが影響しているとされる。

 ただ、サウジのもともとの原油生産ベースは日量1320万バレルで、現在は日量968万バレル、UAEのベースは378万バレルだが、現在は日量279万バレルである。サウジとUAEの大幅増産が閣僚級会合で、是認されることになれば、海外原油相場は一旦、冷やされる可能性もある。


WTI原油期近11月限日足と20日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

フジトミ証券(株)企画部情報サービス課チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/