2022年に向けて、原油の強気スタンス維持

著者:齋藤 和彦
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 オミクロン株を警戒してWTI期近1月限は11月26日に大陰線を形成し、その後、12月2日には62.43ドルまで急落した。しかし、強気の相場見通しが3日に示されたことから、週明け6日以降、急ピッチの上昇をみせ、9日には安値から11ドル近くも買い進まれ、73.34ドルの高値を示現。ただ、急ピッチの上昇に対する高値警戒と、欧州でのデルタ株の感染拡大を警戒して一気に70ドル台まで値を崩すなど、波乱の展開をみせている。大陰線の半値戻りの水準が73.03ドルだったこともあり、半値戻り水準での達成感もあったと考えられる。

 さて、3日に示された強気の相場見通しは、JPモルガンとゴールドマンサックスによるもので、いずれも中心的なインデックスファンドである。

 JPモルガンは2022年の原油相場を125ドル、2023年を150ドルと設定。供給不安の解消が進まず、強調地合いが長期化するとしている。

 久しく強いスタンスを継続しているゴールドマンサックスは、今回、価格見通しを示していないが、OPECプラスの増産が、一層の価格上昇をもたらすとしている。

 2008年にWTIは140ドル台まで急騰した経緯がある。当時、ゴールドマンサックスは145ドルとの相場見通しを早くから指摘しており、実際にその予想通りとなったが、価格上昇を抑制するため、産油国が断続的な増産を実施していた。しかしながら、相場上昇に逆に拍車をかけることになった。これは、増産によって、産油国の供給余力が乏しくなるとの理屈からである。


WTII期近1月限日足と100日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

フジトミ証券(株)投資助言事業部 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/