金は米利上げ観測とインフレヘッジの材料に売り買い交錯

著者:齋藤 和彦
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 12日に発表された12月の米消費者物価指数は前年同月比で7.8%の上昇となり、実に39年振りの高い伸びを記録。翌日発表された12月の卸売物価指数も同9.7%と高止まりしている。

 市場では3月の米FRBによる利上げ観測が高まっていただけに、今回の一連の発表によって、利上げは確実視される状況となったといえる。

 米FRBは金融引き締めを急ぐタカ派が優勢になっているともみられている。穏健派とみられる次期FRB副議長も、承認のための公聴会で早期にインフレを低下させる措置を行使すると明言している。

 3月には米量的緩和の縮小(テーパリング)を完了し、それに合わせて米利上げを実施するとの見方が有力ある。さらに、2022年の利上げに関して、12月の米FOMCでは3回を示唆していたが、現在は4回以上との見方が一般的である。

 こうした米利上げ観測が強まる中、NY金は厳しい局面におかれている。しかし、年明け以降も原油相場の強調地合いが続き、ここにきて非鉄も急伸するなど、インフレ圧力が高まる中、米利上げを警戒しながら、インフレヘッジの買いの買いに支えられるなど、NY金は不安定な動きをみせている。


NY金期近2月限日足と20日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

フジトミ証券(株)企画部情報サービス課チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/