金は厳しい環境に置かれる、NY金の一段安を警戒

著者:齋藤 和彦
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 NYダウが連日の年初来安値を更新している。それに合わせてNY金も急落し、期近6月限は一代足として12日に2月7日以来の安値水準まで急落している。期近6月限の今年の再安値は1月28日の1783.8ドルであるが、それを意識するような値崩れをみせている。

 米FOMC声明後のパウエル米FRB議長の記者会見で、米利上げに慎重姿勢をみせたこともあり、NY金期近6月限は一時、1910ドル台まで急伸した。しかし、一方で米長期金利の上昇が続き、3.20%台まで急伸したこともあり、結果的に1900ドル台回復は格好の売り場提供となってしまった。

 NY株価の値崩れもあり、米長期金利は次第に低下するものの、NY金の下げに歯止めがかからず、一段のドル高・ユーロ安を背景にして大幅安を演じている。

 株式市場同様、金市場からの投資資金の引き揚げが加速している。米利上げに慎重姿勢をみせているものの、着実に利上げを実施することは避けられず、金にとっては将来的に厳しい局面に変わりない。

 また、欧州と中国の景気減速懸念もあり、ここにきて非鉄の大幅安もみられ、LME銅も昨年10月以来の9000ドル割れをみせている。インフレヘッジとしての金の役割も後退し、金の投資妙味の後退につながっている。

NY金期近6月限日足と200日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

フジトミ証券(株)投資助言事業部 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/