チャート悪化も、金の上昇基調は堅持へ

著者:齋藤 和彦
 5日の急落でNY金、銀、白金のいずれもチャートがかなり悪化しており、目先の天井形成の可能性も高まったといえる。NYダウの連騰によって、貴金属市場からの資金引き揚げが加速したためである。

 特に、NY金の急騰に追随し、遅れて急伸したNY銀は大陰線を形成している。7月以降、20日移動平均線を下値にしての上昇トレンドを形成してきただけに、目先はその20日移動平均線のある17ドル台後半までの一段安を想定したい。7月下旬からの上昇幅の3分の1押しは18.18ドルだけに、18ドル前後での下値固めをみせるか注目される。

 NY金は5日の急落で、すでに20日移動平均線を下回っているが、8月23日の安値である1503ドルが当面の下値メドとみる。

 金・銀とも安全資産として買い進まれたが、10月に米中の通商交渉が開催されることになり、結果的に利食い売りに拍車がかかったといえる。ただ、米中の貿易摩擦の解消には程遠く、金・銀とも長期的な上昇トレンドに変わりないとみる。
 
図:NY金期近12月限日足と20日移動平均線
NY金期近12月限日足と20日移動平均線
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/