原油相場は急伸へ、サウジアラムコの上場が背景に

原油
著者:齋藤 和彦
 21日の海外原油は続伸し、2か月振りの高値を示現している。12月5日のOPEC総会、6日のOPECプラスの会合において、現在の協調減産の延長の可能性が高まったということで、一段と急伸したとみられる。

 ただし、現行の減産幅では、米国などの増産をカバーすることにはならず、2020年の供給過剰の改善にはつながらないといえる。市場では減産幅の拡大がポイントとして挙げられていたが、今回はそれが見送られるものの、現在の減産の厳守が指摘されるとみられている。これだけでは、新鮮味のあまりない内容で、ここまでの急騰は考えにくい。

 20日にロシアのプーチン大統領は、OPECと認識を共有していると発言したことも好感されていたが、ロシアの減産幅拡大には言及しなかった。ロシアの10月の原油生産は日量1123万バレルで、減産目標の日量1117万~1118万バレルを上回っているが、これの是正を努めることになるとみられる。

 ところで、これといった新規の買い材料が出現した訳でもない中での2か月振りの高値示現には違和感もある。今回の急騰の背景には、12月に予定されているサウジアラムコの上場があるとみる。サウジアラムコの上場の成功には、原油相場の上昇が必須の条件で、サウジとしても12月にかけて、原油相場の上昇を意識した動きをみせることが十分考えられる。サウジとしては、協調減産の延長を主導することが絶対条件でもある。
 
WTI原油期近1月限日足と200日移動平均線
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/