OPEC総会、OPECプラスに注目

原油
著者:齋藤 和彦
 12月5日のOPEC総会、6日のOPECプラスにおいて、2020年3月で期限を迎える協調減産が6月もしくは9月まで延長することが、市場のコンセンサスになっている。また、減産幅の拡大は見送り、減産の遵守で合意するとみられている。

 一方で、米国の原油生産は米EIAの在庫統計によると、日量1290万バレルに達しており、当然ながら過去最高を更新している。前年同期は日量1170万バレル、2年前は日量9682万バレルで、着実に増加しており、この増加傾向は2020年も継続することは必至の情勢である。米国以外にもカナダやブラジルの増産する見通しで、OPECやロシアによる協調減産の延長だけでは、需給バランスの改善には全く不十分である。

 ただし、OPEC総会を前にして、サウジによるサプライズ的な動きを市場が期待しており、思惑を材料に原油相場は下値を切り上げている。

 サウジによっては12月のサウジアラムコのIPO(新規株式公開)の成功が必要であり、11月29日に締め切りを迎える個人投資家の応募もかなり順調である。成功のためには原油価格の上昇をもたらすサプライズ的なサウジの動きも市場では期待しており、期待先行による原油相場の上昇はまだしばらく続くと考えたい。

 OPEC総会前に実施が予定されているサウジとロシアのエネルギー相による協議が一つのポイントになるが、期待先行で上昇しているだけに、OPEC総会で上記の措置で収まれば、結果的に知ったらしまいで、原油相場は急落するリスクもある。
 
WTI原油期近1月限日足と200日移動平均線
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/