需給バランス悪化の下、原油は一段安

原油
著者:齋藤 和彦
 米国とイランの対立による中東リスクを背景にして海外原油は一時急伸し、WTI期近2月限で65.65ドル、ブレント期近3月限で71.75ドルの高値を付けた。しかしながら、トランプ米大統領のホワイトハウスでの演説において、軍事力の行使には消極的なスタンスを示したことで、高値示現の翌日にはWTI期近2月限で58.66ドル、ブレント期近3月限で64.56ドルまで急落。実に7ドル前後も急落している。サウジの石油施設への攻撃では、高値示現から2週間費やして12ドルも急落したが、今回は原油供給ストップなどの実害がなかったため、急ピッチの下げを強いられたと考えられる。

 この原油価格の急上昇によって、世界的な石油需要の鈍化が想定され、さらに増産を続けている米国、カナダ、ノルウェー、そしてブラジルのさらなる生産拡大も連想される。つまり、世界の石油の需給バランスは一段と悪化するとみるべきである。

 IEA(国際エネルギー機関)は12月の月報で、1月からの日量50万バレルの追加減産が実施されても、世界の原油の供給過剰が改善されないと指摘していたが、状況は一段と悪化することが想定される。
 
WTI期近2月限日足と100日移動平均線
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/