供給過剰と新型コロナウイルスのリスクを背景にして原油は下押しへ

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著者:齋藤 和彦
 世界的な原油の供給過剰の再認識、そして中国での新型コロナウイルスの拡大リスクを映して、海外原油は急落している。リビアの石油関連施設の閉鎖によって、週明けのWTI期近3月限は59.77ドルの高値を付けていたが、23日には54.77ドルまで急落し、ちょうど5ドル、急落したことになる。

 WTI期近3月限の一目均衡表の雲を維持したこともあり、その後、テクニカルな買いに1ドルの戻りをみせているが、中国での新型コロナウイルスの拡大次第では、一段安のリスクはなおくすぶっているとみるべきである。

 米中の第一段階の貿易合意によって、中国が米国から大量の原油と石油製品などのエネルギー関連の大量輸入で合意していたが、新型コロナウイルスの拡大によって、中国の経済活動に与える影響も否定できず、米国から期待されたエネルギー関連の輸入は予定通りに実施されない恐れもある。

 中国自体、経済活動の停滞懸念もあり、当然ながら石油消費に与える影響も想定され、ゴールドマンサックスは石油需要の動向に要注視すべきとしている。

 24日から中国では旧正月に入っており、人の移動も活発になるだけに、新型コロナウイルスが一層拡大するリスクはくすぶっており、海外原油は戻りをみせても、一時的になりそうだ。
 
WTI原油期近3月限日足と一目均衡表
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/