米国の石油需要後退懸念を背景に原油の弱基調続く

原油
著者:齋藤 和彦
 5日のOPEC臨時総会で、2020年末まで、日量150万バレルの追加減産で合意しているが、これにはロシアの同意が条件とされる。OPECプラスの合同委員会では日量100万バレルの追加減産、OPEC公式閣僚会合では6月末までの協調減産が指摘されていたが、いずれに一歩踏み込んだ内容でひとまず合意がなされている。

 現在実施している日量170万バレルの協調減産と合わせると、日量360万バレルの減産となる。リーマンショック後にOPECが実施した日量420万バレルの減産に近くことになる。

 この発表を受け、一時急伸したWTIやブレントだったが、その後、大きく売り直されており、結果的にOPEC臨時総会の合意案は売りの材料となっている。

 ロシアとカザフスタンがこの合意案に難色を示しており、6日のOPECプラスでまとまたないとの懸念が広がったこと、米国での新型コロナウイルスの拡大による石油需要の後退が圧迫要因として挙げられる。

 ロシアは40ドルでも原油価格の財政均衡が保たれると主張しており、OPEC臨時総会で合意した日量150万バレルの合意には消極的で、最終的には日量100万バレルの協調減産、そして6月末までの減産延長で落ち着くとみられる。OPEC臨時総会の合意案から後退するだけに、原油市場での失望売りも想定される。
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/