産油国による緊急会合と米国参加の有無がポイント

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著者:齋藤 和彦
 トランプ米大統領とサウジのムハンマド皇太子は2日、電話会談を行い、その会談後にトランプ米大統領はツイッターで、「サウジとロシアは日量約1000万バレルを削減すると私は予測、期待している」と表明した。これをキッカケに、海外原油は急伸し、WTI期近5月限で22ドル台半ばまで買い進まれた。

 その後、サウジのムハンマド皇太子が産油国に対して、減産に関する緊急会合を呼び掛けたこと、米国との会談後の呼び掛けだったこともあり、米国がこの会合に参加するとの思惑も広がり、さらに海外原油は急伸し、WTI期近5月限で27.39ドル、ブレント期近6月限で36.29ドルまで急騰。一時、30%以上の大幅高を記録している。

 その後、緊急会合が決定した訳でもないため、利益確定売りから上げ幅を急ピッチに縮小したが、それでも大幅高を記録した。

 注目は、緊急会合が実施されるかどうかであるが、まだ不透明である。ただし、原油急落によって産油国のほとんどは危機的状況にあるため、緊急会合は実施されると推測される。新型コロナウイルスの世界的な拡大のため、緊急会合はあったとしてもテレビで実施される見通しであるため、緊急会合実施のハードルは下がることになる。

 緊急会合があった場合、これに米国が参加するかどうかが最大のポイントとなる。米国の増産と輸出拡大を警戒して、ロシアが協調減産の延長を拒否したことがキッカケで、原油相場のその後の急落をもたらしたといえるが、米国が参加しないと、減産に対する進展は期待できない。
 
WTI原油期近5月限日足と20日移動
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/