内外とも原油相場はサヤ滑りを警戒!?

原油
著者:齋藤 和彦
 WTI期近5月限は16日に19.20ドルまで急落するなど、世界的な石油需要の悪化を嫌気した軟調地合いを強いられている。

 9日のOPECプラス、そして10日のG20エネルギー担当相の会合を経て、OPECプラスとしては日量970万バレルの減産を5月、6月と実施し、7月から年末までは日量800万バレル、2021年から2022年末まで日量600万バレルの減産で合意している。さらに、サウジとクウェートは合わせて日量200万バレルの追加減産を実施し、米国やカナダなどのその他産油国が日量370万バレルの減産を実施するとしている。合計で日量1540万バレルの減産である。

 しかし、市場の反応は冷ややかで、この減産では不十分と評価している。15日のIEA月報で、4月の世界の石油需要は日量2900万バレルの大幅減少としており、また2020年通年では日量970万バレルの減産と想定している。16日のOPEC月報では、ややトーンダウンし、4月の石油需要は最大で日量2000万バレル減、2020年平均では690万バレル減としており、OPECプラスの減産で十分と組み立てしている。

 ただし、5月からの大幅減産を前にした駆け込み増産がみられ、また、米国の原油生産の減少ペースがやや鈍く、5月に入ってからの供給過剰の改善が期待されたほど、進まないとみられている。
 
WTI原油期近6月限日足と20日移動
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/