東京原油は納会にかけてのサヤ滑りの要注意!!

原油
著者:齋藤 和彦
 WTI期近5月限の納会前日の20日にWTI期近5月限は史上初めてマイナス圏に突入するなど、通常では考えられない暴落を演じた。現在の取引中心限月である期近6月限は21日に6.50ドルまで急落するなど、原油相場の全面安をもたらしている。

 WTI原油の認証在庫であるクッシング在庫が極めて高い水準である。民間の原油在庫も飽和状態であり、結果的に買い手不足からマイナス圏に転じたとみる。また、原油ETFの損切りによるヘッジ売りがNY原油市場で膨らんだことが影響したともみられている。

 同様の値動きが東京原油市場でもみられた。22日に東京原油先限は1万6000円割れをみせたが、証券市場の原油ETFのヘッジで東京原油が売られたためとみられる。翌日にはその買い戻しに2万2000円台まで急騰するなど、ETF絡みの原油は波乱の展開を強いられていた。今後ともETF絡みのファンドの仕掛けに要警戒すべきである。

 ところで、サウジやロシアに減産を押し付け、米国の原油減産に対する消極姿勢が結果的にこの原油の暴落をもたらしたといえる。

 22日に米EIAが発表した原油生産は日量1230万バレルで、ピークから7.6%しか減少していない。今後とも高水準の原油生産が続くとみられ、米国国内の原油在庫はさらに急増するとみられる。
 
WTI原油期近6月限日足と20日移動
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/