海外原油は再び弱基調へ

原油
著者:齋藤 和彦
 6日のOPECプラスでは5月、6月の日量970万バレルの協調減産を7月も継続すること、5月に減産未達分を7月に上乗せして減産することで合意された。これを受け、週明けのWTI期近7月限は40.44ドルまで急伸したが、合意に対する懐疑的な見方から40ドルをその後は上値抵抗にしている。

 メキシコは7月から増産に転じることを示しているが、メキシコも協調減産で合意することになっており、みせかけの合意だったといえる。また、減産未達が顕著だったイラクやナイジェリアなどの産油国から誓約書を取る予定だったが、オンライン会合だったこともあり、見送られている。このため、7月の協調減産継続も全くの不透明である。

 その後、サウジ、UAE、クウェート、そしてオマーンが6月に実施している日量120万バレルの自主的な追加減産を6月末で打ち切ることを明らかにした。これを嫌気して海外原油は急落したが、一層、OPECプラスの合意に対する不透明さも認識されている。

 そんな中、米FOMC声明後にNYダウは急落している。米国の厳しい経済状況が指摘されたこと、米国での新型コロナウイルスの感染者数がカリフォルニア州やテキサス州で急拡大しており、第2派のリスクが警戒され、経済活動の再開に対する楽観ムードから大きく買い進まれていたNY株価が急落している。

 当然ながら、経済活動の再開による石油需要の改善期待も大きく後退することになり、海外原油はさらに急落し、WTI期近7月限は週明けの高値から5ドル以上も急落する場面もみせた。
 
WTI原油期近7月限日足と20日移動平均線
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/