金の長期上昇トレンド継続へ

著者:齋藤 和彦
 今年2月以降、NY金は月末から月初に急伸している。

 6月2日に高値から20ドル以上も急落する場面もみせたが、5月の取引最終日には40ドルも急伸している。4月末の水準から5月第2営業日である4日には20ドルも急伸している。

 いえることは、月末要因のポジション調整安を経て、新型コロナウイルスのリスクを警戒して改めて買い直されていると考えられる。

 6月末から7月月初にかけてだが、7月3日が米独立記念日で米国市場が休場となる。このため、連休のリスクを踏まえて買い進まれる可能性が今回も高いとみている。

 また、米国では経済活動の再開などが影響して、新型コロナウイルスの感染者が急増しており、過去最高を連日更新している。世界的にも増加ペースを拡大しており、7月における安全資産として金を買う状況も整っている。

 NY金期近8月限は24日に1796.1ドルの高値を付け、1800ドルも時間の問題とみられたが、NYダウの値崩れによって、その他貴金属が急落し、結果的に金は足を引っ張られる格好となり、1800ドル示現は7月に先送りされたとみる。7月3日からの連休を踏まえて、6月末にかけての下押しはあくまでも調整安とみたい。

 7月に入ると、期近8月限の整理商いが進行することになる。ただ、早い時点から期近12月限への乗り換えがみられ、例年以上に12月限の取組も多い。NY金にとっては唯一、取引中心限月として4か月も取引されるのが12月限のみで、それだけ、腰を据えた仕掛けが可能となる。それだけ、ファンドの長期スタンスの強気ポジションを踏まえた相場になるとみるべきで、1800ドルも通過点と考えたい。
 
NY金期近8月限日足と50日移動平均線
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/