金の強調地合い継続

著者:齋藤 和彦
 NY金は、新型コロナウイルスのリスク拡大から8日に1829.8ドルの高値を示現している。2011年9月以来の高水準であり、その9月に示現した1923.7ドルの高値を意識した強調地合いが継続するとみられる。

 米国で感染者拡大に歯止めがかからず、さらに新型コロナウイルスをただの風邪に過ぎないと指摘していたブラジルボルソナロ大統領が感染してしまったことで、新型コロナウイルスのリスクがより現実味を帯びての一気の急伸といえる。

 ただ、買われ過ぎ警戒から9日には1800ドル割れをみせるなど、上げ一服の様相をみせている。

 NY金の現在の取引中心限月は期近8月限であるが、この7月に整理商いが活発化する。多くが期近12月限への乗り換えをみせると考えられる。その期近12月限は取引中心限月が4か月に渡るため、ファンドによるトレンド形成も良くみられ、昨年は7月から9月にかけて上昇トレンドを形成しているが、2018年はその逆で下降トレンドを形成している。

 今年は7月早々に買い進まれたこと、新型コロナウイルスのリスクの長期化が指摘されているだけに、上昇トレンド形成が想定され、1800ドル台は通過点とみる。

 取引中心限月である4か月の日柄を踏まえると、1900ドル示現も難しいとはいえず、7月の相場の流れが、少なくとも8月は継続するとみておきたい。

 買われ過ぎ警戒から、NY金期近8月限は1800ドル前後での下値固めを経て、上昇基調を改めて鮮明にするとみる。
 
NY金期近8月限日足と20日移動平均線
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/