東京原油は売りスタンス

原油
著者:齋藤 和彦
 15日のOPECプラス合同監視委員会で、8月から予定通り、協調減産幅を縮小することを決定した。現在の日量970万バレルから日量770万バレルに縮小される。OPEC加盟国によると、経済活動によって、石油需要の改善がみられるようになったためとしている。

 しかしながら、実際にはパンデミックともいえる状況となっており、特に米国での新型コロナウイルスの感染者が極めて高い水準で増加している。実際、ドライブシーズン本番に入っても、米国のガソリン需要は後退するなど、市場が期待した改善のシナリオには程遠い。

 その一方、株式市場の強調地合いが、経済活動による石油需要の改善の幻想をもたらしており、WTI・ブレントとも上伸している。

 さて、15日に米EIAが明らかにした週間石油在庫統計で、原油在庫は700万バレル以上も大幅減少したが、これは原油輸入が1200万バレル以上も減少したためであり、前週の原油輸入の急増の反動でもある。原油輸入が大幅に減少した翌週の原油輸入が増加する傾向があり、22日に発表される米EIAの在庫統計で、原油在庫は再び増加する可能性もある。

 世界的なパンデミックによる石油需要の後退懸念と米国での低調なガソリン需要、さらに米国の原油在庫の高水準が影響して、WTI期近9月限は41ドル台半ばを戻り高値として、再び40ドル割れを強いられると考えたい。
 
WTI期近9月限日足と20日移動平均線
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/