リスクの長期化から金は上伸!!

著者:齋藤 和彦
 米大統領選挙後の大混乱を背景に、ドル売りが進行し、ドル安・ユーロ高が急ピッチに進行している。また、トランプ陣営の訴訟の乱発も警戒され、その結果、年明けまで正式な米大統領が決まらない状況も予想され、リスクの長期化から安全資産として金が買い進まれ、NY金期近12月限は9月21日以来の1950ドルまで急伸している。10月末の水準と比較すると、70ドル以上も急騰している。

 目先は6日に郵送投票の締め切りを迎えるペンシルベニア州の開票の行方が最大の注目となる。州都であるフィラデルフィアの裁判所は開票作業に共和党の関係者が立ち会うことをひとまず認める決定を下したものの、郵便投票に対する不正は認めておらず、6日からの開票作業によって、民主党のバイデン候補が優位に立つ可能性も高いとみられている。

 一方、ジョージア州の裁判所は郵便投票に不正があったとのトランプ陣営の訴えを退けるなど、トランプ米大統領の厳しい状況に変わりなし。こうした中でもトランプ米大統領は敗戦を認めることはないとみられ、リスクの長期化が懸念されている。

 その一方で、NY株価は4営業日連続で急騰しており、リスク要因とは対照的な動きをみせている。この株価の急騰もその他貴金属の支援材料となり、金相場を後押ししている。

 まずは、週末のペンシルベニア州の開票作業が注目されるため、週末のヘッジ買いを誘って、NY金は一段の上伸も伺える。残念ながら、米雇用統計に対する市場の関心は極めて乏しいといえる。

NY金I期近12月限日足と一目均衡表

NY金I期近12月限日足と一目均衡表

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/