新型コロナウイルスの感染拡大を受け、原油は下押し必至

著者:齋藤 和彦
 欧米での新型コロナウイルスの感染者の拡大に歯止めのかからない状況となっており、事態は一層深刻化しつつある。欧州では10月末から11月に入って、ロックダウンを実施する国も拡大しているが、感染拡大の勢いは止まらず。米国でも米ニューヨーク州で、酒類販売免許を保有する飲食店は午後10時以降、閉店することになるなど、経済活動に対するブレーキもみられ、石油需要にとっては、再び、厳しい局面に逆戻りしつつある。

 米製薬大手ファイザーによるワクチンに対する新型コロナウイルスへの高い有効性が指摘されたことで、NY株価が急騰し、それに追随して原油も大きく買い進まれ、WTI期近12月限は43ドル台まで一時上伸した。

 その一方で深刻化しつつある新型コロナウイルスのリスク拡大を無視する格好での急騰への警戒感も出ていた。

 米民主党のバイデン候補が政権移行を進めるうえで、まず、新型コロナウイルスの対策を示したこともあり、現状悪化が認識され、再び、WTIやブレントは下げに転じたともいえる。
 
WTI期近12月限日足と200日移動平均線
WTI期近12月限日足と200日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/