NY金の整理商いはこれからが本番で、一段安を警戒!!

著者:齋藤 和彦
 ワクチン開発の進展を映して、安全資産からリスク資産に資金がシフトしており、その結果、NY金は急落を演じている。

 NY金は期近12月限の整理商いを迎えている。ワクチンに対する期待の高まりを背景に、期近12月限の買いポジションを期先に乗り換える動きは極めて限定的で、結果的に期近12月限の整理商いは買いポジションの手仕舞い売りが中心となっており、ここにきての急落に弾みを付けたともいえる。19日には期近12月限はストップロスの売りがヒットして、一気に1850.0ドルまで急落。その後1860ドル台まで回復するなど、下げ一服の様相をみせている。

 注目すべきは、今後の金相場の展開である。

 まず、NY金の総取組は18日現在で55万枚あり、期近12月限は23万枚存在している。前年同期の総取組は約72万枚、期近12月限の取組は約32万枚あったことから、全体的にかなり整理商いが進んだといえる。

 CFTCの取組内訳で、大口ファンドの建玉をみると、10日現在で23万9736枚のネットロングながら、前年同期の28万5859枚のネットロングを下回っている。

 ここにきての急落によって、取組がさらに減少し、ファンドのネットロングも縮小していると考えられる。

 しかしながら、まだ期近12月限の取組自体、全体の40%以上を占めており、まだまだ整理商いが必要な状況でもある。このため、整理商い次第では、1850.0ドルの安値を下回ることも想定しておきたい。
 
NY金I期近12月限日足と20日移動平均線
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/