金は戻り売り基調へ

著者:齋藤 和彦
 年初に急伸したNY金だったが、その後急落し、軟調地合いを継続している。期近2月限は6日に1962.5ドルの高値示現後、11日には1817.1ドルの安値示現まで急落し、ここにきて200日移動平均線が上値抵抗線になりつつある。

 年初の急伸は、2021年の商品全面高観測を背景に、インフレヘッジとして金も買い進まれたためだが、そのインフレを背景に米長期金利は13日には1.18%台まで急上昇している。金利を生まない金にとっては、この米長期金利の上昇傾向が圧迫要因になっている。

 また、バイデン次期米大統領の経済政策に対する期待からドル高が進行。米30年物国債の入札が極めて好調だったこともあり、米長期金利は大きく低下したものの、このドル高を嫌気してNY金は戻り切れず。結果的に、金の上値の重さを露呈している。

 2021年に入って、NY株価は連日、高値を更新しており、また、ビットコインも急上昇しており、金に対するリスク商品との認識はみられず、また、インフレヘッジとして買いも短期勝負にとどまっており、株式市場に資金がシフトしている。

 金市場からの資金引き揚げを示すように、金ETFも大幅減少している。

 こうした状況の下、200日移動平均線を上値抵抗に、改めて1800ドルを試す可能性も考慮しておくべきでもある。
 
NY金I期近2月限日足と200日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/