第2四半期に向け、金は軟調地合い継続

著者:齋藤 和彦
 米長期金利の上昇基調が続いている。2月25日に米長期金利は1.61%台まで急上昇したが、急ピッチの上昇にブレーキがかかり、3月早々に1.40%台まで低下した。しかし、4日にはまた1.55%台まで急上昇するなど、上昇基調に変わりない。バイデン米政権の1兆9000憶ドル規模の追加経済対策の法案が米下院で可決され、3月中旬までには米上院でも承認される見通しが高まっている。

 3月に入っての米経済指標は期待外れの内容だが、第2四半期を迎える4月以降の景気回復に対する期待は根強く、米長期金利の長期的な上昇基調は当面、続くとの見方が支配的である。

 景気回復期待が高まる中、NY株価は急落しているが、米長期金利の急上昇が圧迫要因になっている。米株式の平均的な配当利回りは1.5%とされ、これを米長期金利が越えたことで、リスク資産の株式から安全資産の債券市場に資金が流れているためである。

 同様のことがNY金市場でもみられ、金利を生まない金にとってはますます、投資妙味が後退し、資金の引き揚げが加速することが想定されている。4日には1690ドル割れをみせたが、昨年6月8日以来の安値水準である。

NY金週足

 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/