原油は再び上昇基調へ

著者:齋藤 和彦
 海外原油は再び買い直されており、再び上昇基調に入ったと考えられる。キッカケはNYダウの連日の最高値更新であり、NYガソリンの急伸といえる。

 12日にもバイデン米政権の追加経済対策が発効する可能性が高まり、米景気回復観測が高まりをみせ、その中で、ガソリンを中心とした石油需要の改善が期待されている。

 10日に米EIAが明らかにした週間石油在庫統計で、ガソリン需要は2週連続で大幅増加を記録している。2週間前のガソリン需要は日量720.7万バレルだったが、2週間後の3月5日時点で日量872.6万バレルとなり、21%も急増している。それでも前年同期の944.9万バレルと比較すると、まだ低水準といえるが、今後の回復期待が高まっているだけに、NYガソリンの大きな支援材料となっている。NYガソリンは期近ベースで2019年4月25日以来の2.14ドル台乗せをみせている。

 11日に明らかにされたOPEC月報において、2021年の世界の石油需要は日量589万バレルの増加と指摘しているが、前月予想より10万バレル増加している。その増加の大部分は年後半としている。しかし、今後の増加傾向を認識する材料としては十分である。

 そのOPEC月報では2月のOPECの産油量も指摘され、65万バレル減の日量2485万バレルで、サウジは95.6万バレル減の日量814.7万バレルとなっている。サウジの減産は4月も続くことが決定しているだけに、第2四半期以降の石油の供給タイトを認識して、再びWTIは70ドルを試す上昇トレンド形成も十分想定される。

WTI原油期近4月限と20日移動平均線

 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/