原油は底入れ確認のタイミング

著者:齋藤 和彦
 18日の海外石油市場は大幅安を強いられ、取引中心限月であるWTI期近5月限は一時、9.8%安の58.28ドルまで急落し、50日移動平均線の57.90ドルに迫る急落を強いられた。米追加経済対策が成立してから、WTI中心に下げを続けてきたが、米長期金利の一段の急上昇と欧州での新型コロナウイルスの再拡大を背景にしたパニック売りが大幅安をもたらしたといえる。

 米国では現金給付が始まっており、個人消費拡大に対する期待もくすぶっている。しかしながら、それを先取りして法案成立まで強引に買い進まれたこともあり、結果的には知ったらしまいの、典型的な値崩れをみせている。

 17日の米FOMC声明で、2023年までゼロ金利政策を維持することが示されたこともあり、米長期金利の抑制も期待されていたが、米長期金利は1.75%台まで急上昇するなど、この米長期金利の上昇を無視できず、手じまい売りに拍車がかかったともいえる。

 また、欧州での感染拡大の兆しであるが、世界的も今週に入って拡大している。ワクチン接種の拡大による石油需要の改善期待もトーンダウンしている。前日にはIEA(国際エネルギー機関)が明らかにした月報の中で、今年前半は、潤沢な在庫と供給能力からみて、価格高騰に対する修正安の可能性も指摘されていたこともあり、改めてそれも弱材料として認識されることになったといえる。

WTI原油期近5月限と50日移動平均線

 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/