波乱含みもイースターに向けて押し目買いが無難

著者:齋藤 和彦
 スエズ運河で大型コンテナ船が座礁し、多くの船舶が通過できずにいる。一日平均52隻の船舶が通過し、世界の海運流通の12%を示す地域で発生した問題を好感して、海外原油は一時急反発した。座礁事故当時、10隻、1300万バレルを積んだタンカーが欧州向けに航行していたが、通過できずにとどまっているという。その後の通過予定のタンカーを加えると、甚大な影響が当初懸念されていた。

 しかし、翌日の海外原油は一転して急落しており、供給不安のリスクは大きく後退している。座礁の解消には数週間かかるとの見通しもあるが、欧州も日本同様、原油備蓄は潤沢であり、また、現在の欧州のロックダウンによる石油需要の低迷を踏まえると、緊急性はなく、結果的にリスクが大きく後退してしまったといえる。

 もともと、原油相場は欧州のロックダウンを警戒して急落しており、特にドイツのロックダウンの延長が失望売りを誘っていた。ワクチン接種が思うように進まない中での感染拡大が深刻化しており、石油需要の低迷の長期化も避けられないとの声も挙がっていた。

 これとは対照的にワクチン接種がかなり進んでいる米国では、第2四半期に向けての景気回復期待が次第に高まっている。24日に発表された米EIAの在庫統計で注目されたのがガソリン需要で、現金給付の影響の判断材料となっていた。実際、ガソリン需要が増加しており、少なからず、現金給付の効果があったとみられている。

WTI原油期近5月限と20日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/