トウモロコシの上昇基調鮮明に

著者:齋藤 和彦
 前週、米コーンベルト全般に厳しい冷え込みに見舞われることが予想されていることから、それを踏まえて、シカゴトウモロコシが急伸すると指摘していたが、実際には期待以上の急騰を演じている。22日のシカゴトウモロコシ期近2限月がストップ高張り付きで取引を終えており、期近5月限は今週に入って65セントも急騰している。

 確かに、米コーンベルトは20日、21日と厳しい冷え込みとなり、最低気温は氷点下を下回った。24日までは最低気温が4℃前後と予想されており、トウモロコシの作付は困難とみられる。しかしながら、25日以降は気温が上昇し、最低気温も10℃以上になる日がほとんどで、急ピッチの作付進展も期待できる状況にある。本来であれば、それを警戒した下落も想定されたが、逆にストップ高を示現するなど、一段と急伸している。

 これには、米国でのエタノール需要の拡大の連想買いが活発化したためと考えられる。

 バイデン米大統領主催の気候変動に関する首脳会合(気候変動サミット)が22日開催された。ここで、バイデン米政権は、2030年までの温室効果ガスの削減目標を2005年から50~52%削減に大幅に引き上げることを明らかにした。従来の目標は26~28%の削減である。

 2030年まで時間も少なく、電気自動車の急ピッチの普及は困難とみられる。このため、バイオ燃料、米国ではトウモロコシを原料するエタノール需要の拡大は必至の情勢との観測が高まり、ファンドの積極買いをもたらしている。

 英国は今年春、2021年9月からガソリンに10%のエタノールの混合を法律で規制することになっているが、これも現在走行しているガソリン車の排ガス規制を狙ったものである。

CBOTトウモロコシ期近つなぎ月足

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/