米国原油の急ピッチの生産拡大が目先の圧迫要因

原油
著者:齋藤 和彦
 24日に米EIAが発表した週間石油在庫統計で、原油在庫は前週比1083.5万バレルの大幅減少を記録。これで6週連続の減少となったが、ここ2週間の原油在庫減少の主因は、米国の原油減産といえる。過去2週で、原油生産は日量100万バレルも減少しているためで、ハリケーンによってメキシコ湾沖の原油生産が減少した影響が時間差を置いて数字に反映されている。

 現在は原油生産が回復しており、さらに8月には米シェールオイル生産が過去最高の見通しである。従って、米国での原油生産が今後、急ピッチに拡大することになる。

 原油在庫の大幅減少に、WTIは一時的に反応をみせ、57.64ドルの高値を示現したものの、55.33ドルまで一気に急落。再開後に56.99ドルまで買い直されたが、戻り局面では原油在庫の大幅減少が再認識されたものの、また売り場提供となり、55ドル台に値を消している。

 市場では原油在庫の大幅減少は過去の話であり、今後の急ピッチの増産を懸念していると考えたい。
 
WTI原油期近9月限日足と20日移動平均線
 

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト 1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。 http://www.fujitomi.co.jp/