海外原油はしばらく調整安局面へ

著者:齋藤 和彦
 7日から停止していた米最大級の石油パイプラインが12日に復旧している。米ガルフから米東部に供給する45%の石油供給が停止していたこともあり、NY石油製品がリードする格好で、WTI・ブレントも急伸し、WTI期近6月限は12日に66ドル台半ばまで急伸していた。

 12日朝には米EIAの週間石油在庫統計が発表され、ここで米国のガソリン需要が3週連続で減少したことが明らかになった。市場では米景気回復に合わせて、ガソリンの需要も拡大するとみていただけに、全く異なる動きをみせていた。この発表も無視しての66ドル台示現だったが、結果的に売り場提供となり、その後、63ドル台まで急落している。

 インドや東南アジアでの感染拡大による石油需要の後退懸念もあり、石油を取り巻く環境は厳しい状況だっただけに、強引な上昇にブレーキがかかったといえる。

 また、注目すべきは、米長期金利の1.70%台までの上昇によって、インフレ懸念が高まり、米FRBによる量的緩和の縮小、つまりテーパリングが実施されるとの観測が広がり、13日の商品市場ではファンド資金引き揚げの動きが顕著にみられ、石油市場も例外ではなかった。

 思惑買いで急伸しただけに、この資金引き揚げが大きく影響し、高値から一気に3ドル以上も急落している。

WTI期近6月限日足と20日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/