供給不足から余剰に転じる白金

著者:齋藤 和彦
 17日にジョンソン=マッセイが2021年の白金族の需給見通しを明らかにしている。

 注目すべきは、白金の需給バランスが180度変わることで、供給不足から余剰が想定されている。

 2021年の白金の鉱山生産などの一次供給は172.82トン(前年140.16トン)となり、2019年の170.75トンまで回復するとしている。リサイクルなどの二次供給は53.95トン(同48.68トン)で、こちらも増加するとしており、供給合計では226.77トン(同188.84トン)で、前年比20%増となる。

 一次供給に関しては、コロナ禍後の南アとロシアの増産意欲の高まりが反映するとしている。

 需要に関して、最大の需要である自動車用触媒は82.50トン(同64.92トン)で、2019年の81.16トンを上回るとしている。2020年よりも増加するのは仕方ないが、2020年以降、欧州ではディーゼル車の生産を縮小することにしており、それよる自動車用触媒需要は年々、減少するとみられるだけに、2019年を上回る状況は考えにくい。

 自動車用触媒需要が拡大している中国での白金の触媒需要がイマイチで、引き続き、パラジウムとロジウムが中心とみられる。中国ではパラジウムを中心としたリサイクルシステムが確立しているためである。

 また、投資用は8.82トン(同28.97トン)から大幅に減少するとしている。

 需要合計は209.33トン(同207.80トン)で、前年比1%増にとどまる見通しである。

NY白金I期近7月限日足と20日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/