強気の需給バランスと天候リスクを背景に、トウモロコシの強調地合い続く

著者:齋藤 和彦
 米農務省が10日に発表した需給報告は、トウモロコシに関してかなり強い内容だったといえる。

 2020年度の米国トウモロコシの期末在庫は11憶0700万ブッシェル(前月12憶5700万ブッシェル)で、事前予想下限の11憶3200万ブッシェルを下回っている。在庫率は10.4%から7.4%に大幅に低下しており、数字上でもかなりタイトな需給バランスの水準を示している。

 需要に関して、エタノールと輸出がそれぞれ7500万ブッシェルずつ下方修正されたためであるが、これはブラジルのトウモロコシ生産高の下方修正が影響したとみられる。

 ブラジルの生産高は干ばつの影響で、9850万トン(同1憶0200万トン)に大幅な下方修正されている。ブラジルではトウモロコシばかりでなく、砂糖やコーヒーも大幅減産のみ通しで、トウモロコシと砂糖から精製されるエタノールの大幅減産も指摘されている。

 今後、さらにブラジルの生産高が下方修正される可能性も高く、米国産への依存度が一段と高まりをみせると考えられる。

 ところで、トウモロコシの主産地である米コーンベルト西部と米プレーンズはホット&ドライに見舞われており、急速に土壌水分が失われている。表土の土壌水分の極不足と不足の割合は6日現在、アイオワは39%(前週15%)、ネブラスカは23%(同12%)、ミネソタは51%(同24%)、サウスダコタは78%(同54%)。この4州で全米の生産シェアは前年度実績で44%となる。

CBOTトウモロコシ期近12月限日足と20日移動平均線

このコラムの著者

齋藤 和彦(サイトウ カズヒコ)

株式会社フジトミ 情報サービス室 チーフアナリスト
1990年カネツ商事に入社。1994年にカネツ投資顧問に転籍し、2004年にインテレス・キャピタル・マネージメントに移る。
現在のフジトミに2009年に移るまで、15年近く投資顧問に在籍し、ここで情報提供やファンド運用を手掛ける。
商品アナリストとしてはそれ以上の実績を有する。ファンダメンタルズ・テクニカル両面を重要視するが、その時の相場の味に注目し、分析を手掛ける。
http://www.fujitomi.co.jp/