きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となった。朝方発表の米生産者物価指数(PPI)は予想を上回る内容となったものの反応は一時的に留まり、ドル売り圧力が依然として強い。FRBの利上げ期待は強いものの、米税制改革への不透明感やインフレ鈍化への懸念がドルの上値を抑えている状況に変化はない。 ドル円はNY時間に入って売りが強まり、ストップを巻き込んで一時113.30付近まで下落した。21日線を再び割り込む動き。米株式市場の調整が続いており、ダウ平均が一時160ドル超の下げとなる中、ドル円も売りが強まった格好。 トレンドはまだ上昇傾向にあるものの、113円をブレイクしてくるようであれば、黄色信号が点滅しそうだ。明日は10月の米消費者物価指数(CPI)や小売売上高の発表が予定されており、その反応が注目される。目先の下値サポートとしては先週の安値113.10付近が意識される。 きょうの主役は何と言ってもユーロ。ロンドン時間に発表になったドイツの7-9月期のGDP速報値が強い内容となったことをきっかけにユーロは買い戻しが強まっている。ECBは足元の低インフレから慎重姿勢を強調しているものの、景気回復には自信を示している。きょうのGDPはそれを裏付ける内容となっておりユーロをサポートしている。 ユーロドルはストップを巻き込んで1.18台まで上昇。一気にショートカバーが強まっている。きょうの動きで21日線を回復しているが、米税制改革への不透明感などもありドルが軟調な中、再びユーロにフローが集まるか明日以降の動きが注目される。 ポンドドルは1.31台後半に上昇。ドル安の流れの中、ポンドドルもNY時間に入って買い戻しが強まった。ロンドン時間に発表になった英消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことで売りが強まり、1.3075付近まで急速に下落する場面も見られた。 ただ、ポンドドルは1.30台に入ると買いが断続的に出てサポートされる動きがここ数日続いている。相次ぐ閣僚の不祥事でメイ政権の足元が揺らぐ中、EU離脱の移行プロセスが年内に合意に漕ぎ着けるのか不安感も根強い。ポンドに対する弱気な見方も多い中で、きょうの予想を下回る英CPIはポンド売りには絶好の材料であったようにも思われる。しかし、きょうもサポートされており、警戒感の割にはポンドは意外に底堅い印象だ。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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