米国に感染第3波が来襲し、リスク回避のドル買い=NY為替前半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となっている。リスク回避の雰囲気が強まっており、米株式市場でダウ平均が800ドル超急落する中で、為替市場はリスク回避のドル買い戻しが強まっている。ドル円も一時105円台まで買い戻される場面が見られた。

 米国に感染第3波が来襲しており、23日付けの新規感染者数が8万3000人を超え、過去最多となった。7月の7万6842人を超えてきたことで、市場もさすがに警戒感を強めている模様。ホワイトハウスのメドウズ首席補佐官も、米国はパンデミックを抑制できていないと発言していた。

 また、米大統領選前の米追加経済対策への期待も後退している。先週はペロシ米下院議長からの前向きなコメントも伝わり、期待感も高まっていたが、結局、合意には到達できていない。互いに「ゴールポストを動かしている」といった非難合戦も聞かれた。11月3日の米大統領選まであと1週間余りとなる中で、ポジション調整の動きが一気に出ている印象だ。

 ドル円は一時105.05円付近まで上昇。ただ、今後もドル売り基調は続くとの見方は根強い。ドル円の上値には信頼感がなく、限界があるとの指摘も少なくない。105円台に入ると、戻り売りオーダーも厚く観測されているようだ。

 ユーロドルは戻り売りが優勢となっており、1.18ドル台前半まで値を落としている。一時1.1805ドル付近まで下落し、1.18ドル割れを試す動きが何度か見られたが、その付近では買いオーダーも並んでいる模様で、1.18ドル台はいまのところ維持している。本日の21日線が1.1770ドル付近に来ており、目先の下値メドとして意識される。

 今週は29日木曜日にECB理事会が予定されている。政策変更は何もないものと見られているが、欧州で感染第2波が拡大する中で年内の追加緩和を示唆してくるのではとの見方が多いようだ。市場では12月の理事会でパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を5000億ユーロ拡大してくるとの予想がコンセンサスとなっているようだ。

 ただ、市場も織り込んでいる面もあり、予想通りに年内の追加緩和拡大を示唆して来たとしても、それがユーロ押し下げにつながるかどうかは未知数との指摘も出ている。FRBが平均2%のインフレ目標という新たな枠組みを作り、低金利の長期化姿勢を強調する中で、その姿勢に変化がない限りにおいては、ユーロドルは底堅く推移するとの見方が有力視されているようだ。

 ポンドドルも軟調。1.30ドル台は維持しているものの、きょうは上値の重い展開となっている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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