ドル円は伸び悩むも21日線でサポートされ、買い戻しの流れを継続=NY為替前半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となり、ドル円も伸び悩む展開を見せた。NY時間の朝方には104.75円付近まで上昇していたが、その後は戻り売りに押されている。しかし、本日104.40円付近に来ている21日線はサポートされており、買い戻しの流れを続けている。為替市場では根強いドル安が続いているものの、米国債利回りが上昇しており、米株も底堅く推移していることから、ドル円は下値をサポートされているようだ。

 市場は、先月の米大統領選で一旦交渉が頓挫していた米追加経済対策への期待を再び高めている。それが米国債利回りの上昇とイールドカーブのスティープ化に繋がっているとも指摘されている。

 米上下両院の超党派グループが9080億ドル規模の経済対策案を公表した。一方、マコネル米上院共和院内総務はその案に否定的で、独自の対策案を示している。ただし、規模は従来の主張とほぼ変わらず、5000億ドル規模となっている。ムニューシン米財務長官はマコネル氏の案であれば、トランプ大統領は署名するだろうと述べていた。マコネル案には新たな給与保証プログラム(PPP)などの企業支援3330億ドルのほか、学校やワクチン、農業向け資金やビジネス会食の税控除復活も含まれている。

 しかし、大規模な対策を模索している民主党のペロシ米下院議長はマコネル案には否定的な見解を示している。民主党は州・地方政府の支援を求めている。年内に合意する見込みは薄そうだが、ひとまず協議を再開したことで、市場はポジティブに捉えている模様。

 ユーロドルは1.21ドル台まで一時上昇。きのうは大きな心理的節目として意識されている1.20ドルの大台を回復し、上へのレベルシフトへの期待も高まった。一時1.20ドル台後半まで上昇していたが、1.21ドルまでは試すことなく一旦伸び悩んでいた。しかし、きょうになって再び買いが強まっている格好。

 ユーロドルに対する市場の上値期待は強い。来年にかけ1.20ドル~1.25ドルのレンジ上限付近まで上昇する可能性も指摘されている。欧州は感染拡大が急速に落ち着いており、それと伴にユーロ圏経済も回復して行くと見ているようだ。EUは予算や復興基金での合意に難航しているが、解決策を見出す。ECBの追加緩和も12月の理事会でひとまず終了する可能性もあり、ユーロドルをサポートすると見ているようだ。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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