ユーロドルは今月安値に顔合わせする動き ECBが次第にユーロ高けん制を強める=NY為替

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 先ほどからやや下げ渋っているものの、きょうのユーロドルは一時1.2060ドル付近まで下落するなど戻り売りが強まっている。今月の安値が1.2055ドル付近だが、その水準に顔合わせする動き。一部報道で、「市場が利下げの確率を過小評価している」とECB当局者が認識していると伝えていた。

 ユーロも敏感に反応していたが、きのう辺りからのECB理事からの発言にユーロ高へのけん制が含まれて来ている。きょうもクノット・オランダ中銀総裁が「インフレを抑制する一段のユーロ高に対処する手段がECBにはある」と追加利下げも視野に入れた言及を行っていた。この動きに市場も神経質になっているようだが、マイナス金利深掘りのシナリオを描く市場関係者はまだ少数派だ。

 一方、イタリアの政治が流動的になっている。イタリアのコンテ首相は新連立政権の樹立を目指すとし、前日に辞任を発表し、マッタレッラ大統領に辞表を提出した。マッタレッラ大統領はコンテ氏を再び首相に任命し、より強固な政権の樹立を命じると見られている。ただ、先行きは不透明で、首相交代や解散総選挙を求める声が高まる可能性もあるとの見方も出ている。ただ、解散総選挙はすべての政党にとって不利なことから、可能性は低いとも言われている状況。同首相は19日の上院の信任投票を乗り切ったが、絶対多数には届かなかった。イタリアでは新型ウイルス危機対策への支出を巡り政党間で主張が分断している。

 いまのところユーロの反応は限定的で、市場も行方を見守る姿勢を強めており、イタリア国債とドイツ国債の利回り格差も抑制されたままとなっている。ただ、今後の展開次第では市場の注目が集まる可能性は留意しておきたい。

EUR/USD 1.2102 EUR/JPY 125.96 EUR/GBP 0.8834

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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