米小売売上高の弱さもあり、朝方はドル売りが優勢も、その後少し調整が入ってもみ合いに=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
米小売売上高の弱さもあり、朝方はドル売りが優勢も、その後少し調整が入ってもみ合いに=NY為替概況

 14日のNY市場でドル円は109円台前半推移となった。米債利回りが低下傾向を示したこともあり、ロンドン市場からドル円は頭の重い展開。NY朝には米小売売上高が予想を下回る弱めの数字となったことを嫌気してドル売りが広がり、109円19銭を付ける場面が見られた。米10年債利回りが1.62%台を付けるなどの動きに。もっともすぐに値を戻して、その後は109円台前半でのもみ合いに。米債利回りは少し戻したが1.65%を付けきれず、その後も冴えない動きとなってドルの重石となっている。

 21時半の米小売売上高に続いて、23時にミシガン大学消費者信頼感指数も弱い結果となるなど、米経済指標は軒並み厳しい状況。先週のISMや雇用統計の弱さもあって、やや警戒感が広がっている。小売売上自体は額ベースでは史上最大をわずかながら更新しており決して弱いわけではないが、期待ほどの伸びを示していない。

 こうした状況がドル円の110円トライの重石となっており、上値ではドル売りが入る展開に。もっとも米株が大幅続伸となるなど、リスク選好の動きが見られ、円売りが入っていることもあり、下値もしっかりという流れに。

 ユーロドルは堅調地合いを維持した。欧州株の上昇がユーロを支えた。ポンド買いドル売りの動きなどもユーロの連れ高を誘った。東京午後から買いが入っていたユーロドルはNY朝方にロンドン市場午前の高値を超えると、ミシガン大学消費者信頼感指数の弱さを受けたドル売りなどもあって1.2148前後まで。もっとも1.21台半ばを付けきれなかったこともあり、上値進行にも慎重姿勢がが見られ、その後はもみ合いに終始した。とはいえ終値は1.2140台でほぼ高値引け。ユーロ円は米小売売上高の弱さを受けたリスク警戒の円買いに132円40銭割れを付けるも、その後は一転して上昇。一時132円84銭まで上値を伸ばし、その後は高値圏もみ合いとなって、対ドル同様高値に近い132円82銭で引けている。

 ポンドドルは大きく上昇。英政府が海外旅行の緩和など、行動制限の緩和措置を17日から進めることを発表し、期待感がポンド買いにつながった。英中銀ホールデン・チーフエコノミストが前向き姿勢を続けていることが、ポンドを買いやすくする地合いにつながっている面も。ポンドドルはロンドン朝方の1.4040台からNY朝方に1.4080台まで。さらに午前中に1.41台をしっかり付ける場面が見られ、一時1.4111前後まで上値を伸ばした。1.41台での買いには慎重で、少し調整が入るも1.4090台で週の取引を終えている。

MINKABU PRESS 山岡和雅

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