きょうも米国債利回り上昇とドル高が優勢となる中でユーロドルは1.16ドル台で推移しており、下値模索が続いている。NY時間に入って、ECB理事のカジミール・スロバキア中銀総裁が「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)終了後に必ずしも、従来の資産購入プロフラム(APP)を拡大する必要はない」と認識を示したことで1.17ドル台に戻す場面がみられたものの、一時的な上昇に留まっている。きょうは1.1670ドル付近まで下落し、8月につけた年初来安値1.1665ドルに顔合わせしている。 FRBや英中銀に22年の利上げ開始の可能性が出てきている半面、ECBは2022年3月にパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の下での債券購入終了が見込まれているだけの状況。ECBとFRBおよび英中銀との金融政策の格差がユーロを圧迫するとの見方は根強い。 カジミール・スロバキア中銀総裁の発言はあったものの、依然として市場では、ECBはPEPP終了後にAPPの購入額を増やして緩和状態を継続するとの見方が根強いようだ。FRBや英中銀と違い、ECBが2022年に利上げを開始する可能性は低いと見られている。 きょうはラガルドECB総裁の発言も伝わっていたが、一時的なサプライチェーン問題に過剰反応すべきでないと述べており、ECBの姿勢はやはり慎重なようだ。 EUR/USD 1.1682 EUR/JPY 130.05 EUR/GBP 0.8631 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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