◎〔週間見通し〕NY金、上昇トレンド継続か=フィリップ証券・笹木氏

配信元:時事通信社
著者:JIJI PRESS
 笹木和弘・フィリップ証券リサーチ部長=来週のニューヨーク金先物相場は、今週の上昇の流れが続き、中心限月は1オンス=1800ドルを挟んだ動きになるとみている。予想レンジは1750〜1850ドル。
 金は2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明発表以降、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースの鈍化観測が強まる中、水準を切り上げてきた。さらに今週は、10日に発表された10月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことで、一段高となった。
 CPIの予想下振れは、FRBのいう「これまでの金融引き締めの累積効果」が出始めた可能性がある。もっとも、パウエルFRB議長は、利上げ停止の議論は時期尚早との立場だ。大幅な物価上昇が続いている状況に変わりはなく、多少マイルドになってきたとはいえ、鈍化傾向が定着するのか、もう少し様子を見る必要があるだろう。
 CPI発表後の株価急騰をはじめとする市場の反応にはやや行き過ぎの感もあり、来週の講演会などで予定されているFRB当局者の発言次第では、過度な楽観ムードにくぎが刺される展開も考えられる。そうなるとドル安が一服し、金の上昇ペースも鈍化しそうだ。
 しかし、金の上昇基調は保たれるだろう。金の国際的な業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が月初に出した四半期報告で、金の主要な買い手として中央銀行の存在がクローズアップされたことで、下値安心感が強まっていることは間違いない。
 WGCによると、2022年7〜9月期に世界各国の中銀は合計400トン近い金を購入しており、過去最多だった。ドル経済圏から締め出されたロシアや、中国などが金を準備資産として積み上げている可能性が考えられる。金は月初には一時1620ドルを割り込んだが、長期的な均衡水準は1800ドルだとみている。(了)
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