【これからの見通し】ドル安の流れ続くのか、節目水準つけて材料も多いポンドドルに注目 ドル安の流れが続くのか、きょうはポンドドルの動向に注目したい。ドル安の流れは米金融当局の利上げペース鈍化期待が背景。先週の米消費者物価指数の伸び鈍化がドル売り方向にインパクトを与えたほか、昨日の米生産者物価指数の数字もインフレピークアウトが始まっていることを示唆していた。ただ、生産者物価指数に関しては発表後にドル売り反応も、すぐに自律的な買い戻しが入っており、ドル売りは短期的には一服している。 昨日のNY市場ではロシア製とみられるミサイルがポーランドに落ち、2名の死者が出たとの報道が駆け巡った。市場はリスク回避のドル買いの反応を示した経緯がある。その後、バイデン米大統領がロシアの方角から発射された可能性は低いと表明。ウクライナ側の地対空ミサイルシステムだったと報じられている。ドル相場は総じて、前日の米生産者物価指数発表時よりはドル高の水準で推移している。値動きから判断すると、短期的にはドル売り持ちポジションが蓄積している可能性が指摘されそうだ。 そのなかで、ポンドドルは昨日のマーケットで心理的水準1.20台をつけていた。トラス前政権時につけた1.0350レベルの安値からは実に1650ポイントにおよぶ大幅反騰となった。今日には英物価指標発表と一連の英中銀高官の議会出席、あすにはスナク政権による中期財政計画発表などのイベントを控えており、ポンド相場に注目が集まりそうだ。この後のロンドン市場では、ポンド相場に調整が入るのかどうかをチェックしたいところだ。 この後の経済指標予定は、英消費者物価指数、小売物価指数、生産者物価指数(10月)などが日本時間午後4時に発表される。NY市場にかけては、米MBA住宅ローン申請指数(11/05 - 11/11)、米小売売上高(10月)、米輸入物価指数(10月)、米鉱工業生産指数(10月)、米企業在庫(9月)、米NAHB住宅市場指数(11月)、対米証券投資(9月)など一連の米経済指標が発表される。また、カナダ住宅着工件数(10月)、カナダ消費者物価指数(10月)の発表も予定されている。 発言イベント関連では、ベイリー英中銀総裁、ブロードベント英中銀副総裁、マン英中銀委員、ディングラ英中銀委員などが財政委員会に出席する。ウイリアムズNY連銀総裁が2022年米財務省市場会議に出席する。バーFRB副議長が下院金融サービス委員会で証言を行う。その他、ラガルドECB総裁をはじめとしたECB高官らの講演イベント予定も多い。シスコシステムズ、エヌビディアなど米IT企業決算も注目される。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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