きょうのポンドドルは戻り売りが優勢となっており、1.18ドル台に値を落としている。ロンドン時間に10月の英消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、反応は限定的だった。ただ、数字自体は驚きの内容で、総合指数は前年比11.1%と41年ぶりの高さにインフレが加速していた。エネルギー価格の値上がりが主因で、英政府は先月から家計の光熱費負担に上限を設定しているにもかかわらず、大半の家庭で電気やガス代が増加した。電気代は65.7%上昇、ガスも128.9%上昇している。政府の支援が無ければ、インフレはさらに加速していたことになる。 ただ、英中銀の利上げ期待が高まった様子はない。短期金融市場での12月の英中銀金融政策委員会(MPC)での利上げは、0.50%ポイントと0.75%ポイントの間ぐらいで推移している状況。 市場からは、高インフレの半面、弱い経済成長という要素を考慮すると、ポンドは引き続きアンダーパフォームが予想されるとの指摘も出ている。前日は英雇用統計が発表になっていたが、英中銀には引き締めの継続を求める圧力がかかり続けるが、利上げ幅は市場参加者が想定しているほどではないという。 また、英インフレの上昇はポンドにとっては諸刃の剣との指摘も出ている。金利上昇の見通しにおいて、英インフレ上昇を経済的懸念が相殺するため、ポンドにとっては諸刃の剣だとしている。今週発表の英経済指標は、英中銀の積極利上げの可能性を高めた一方で、英経済の低迷がより深刻かつ長期化する可能性を示唆しているという。 英消費者物価指数(10月)16:00 結果 2.0% 予想 1.6% 前回 0.5%(前月比) 結果 11.1% 予想 10.6% 前回 10.1%(前年比) 結果 6.5% 予想 6.3% 前回 6.5%(コア・前年比) GBP/USD 1.1890 GBP/JPY 165.98 EUR/GBP 0.8745 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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