【これからの見通し】中国リスクが一服し、きょうはパウエルFRB議長講演に注目 週初からの中国リスクの動きはひとまず落ち着いている。中国の中央政府はゼロコロナ政策を堅持する姿勢をとっているが、その運用面として衛生当局が一部地方政府などの過剰かつ一律的なコロナ規制について諫めたことが市場に安心感を与えている。きょうは上海・香港株が落ち着いた値動きを示している。 そのような状況下で、きょうはパウエルFRB議長講演を迎える。来月の米FOMCを控えて、来週からはブラックアウト期間に入る。その直前のタイミングとなることから、市場の注目度が高まっているようだ。 ただ、内容についてはこれまで市場がイメージしてきたことと大きく相違があるものとはならないだろう。次回FOMCでの利上げ幅縮小、インフレ抑制に向けた強い姿勢、インフレ次第ではターミナルレート水準が引き上げられる可能性があることなどだ。 タイミング的には12月FOMCが期近に迫っていることから、市場では利上げペース鈍化に反応しやすくなっている点は留意しておきたい。 きょうは米MBA住宅ローン申請指数(11/19 - 11/25)、米ADP雇用統計(11月)、米卸売在庫(速報値)(10月)、米実質GDP(改定値)(第3四半期)、米シカゴ購買部協会景気指数(11月)など米経済指標発表も多い。ただ、パウエル講演を控えて、反応は一時的なものとなりそうだ。 この後のロンドン市場では、ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(11月)が注目される。市場予想は前年比+10.4%と前回の+10.6%から若干の鈍化が想定されている。しかし、引き続き二桁台の高水準であり、インフレのピークアウト感にはつながりにくそうだ。ただ、昨日発表されたスペイン消費者物価指数などは4か月連続の伸び率鈍化となっており、10%割れなどの結果となれば、市場に与えるインパクトは大きくなりそうだ。 発言イベント関連では、ピル英中銀チーフエコノミスト、マクルーフ・アイルランド中銀総裁、ボウマンFRB理事、クックFRB理事などの講演イベント参加が予定されている。パウエル議長講演のあとには米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。米週間石油在庫統計が発表される。米主要企業決算では、セールスフォースが注目される。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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