[2月19日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2024 年 12 月限 2 月 13 日〜 2 月 16 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 9,761 9,770 (13) 9,615 (15) 9,681 -81 銀 106.3 109.8 (16) 106.3 (13) 109.0 +2.7 プラチナ 4,311 4,360 (16) 4,250 (13) 4,333 +24 パラジウム 4,400 4,500 (15) 4,200 (14) 4,500 +100 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 15 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 2) 2,002.1 -21.2 | ドル・円 150.24 0.85 円安 銀 ( 3) 2,295.1 +35.7 | 日経平均 38,487.24 +1589.82 プラチナ ( 4) 905.2 +27.0 | NY原油 ( 3) 78.03 +1.19 パラジウム ( 3) 952.80 +83.50 |* ドル・円は15時15分現在、原油は 15日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退と中東の緊張でもみ合い、とし た。 金は予想以上の米消費者物価指数(CPI)を受けて軟調となった。現物相場は昨年 12月以来の安値1985.32ドルを付けた。金先限は2日以来の安値9615円を 付けた。 1月の米消費者物価指数(CPI)は前年比3.1%上昇と事前予想の2.9%上昇 を上回った。前月の3.4%上昇からは鈍化した。家賃や宿泊費などを含む住居費の上 昇が主因となった。コア指数は同3.9%上昇と、伸びは前月から横ばいとなった。C MEのフェドウォッチでは、5月まで金利据え置きの見方が強まり、6月の利下げ確率 が51.8%(前週41.0%)となった。ただ米シカゴ地区連銀のグールスビー総裁 は、インフレが米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%に低下するまで利下げを 待つべきではないという見解を示した。1月の米小売売上高は前月比0.8%減とな り、10か月ぶりの大幅な落ち込みとなった。事前予想は0.1%減。悪天候や季節要 因が影響した。また米鉱工業生産指数も同0.1%低下した。今後発表される経済指標 を引き続き確認したい。一方、米国では昨年終盤時点で、規制当局の監視強化が必要に なり得るとした水準まで商業用不動産ローン債権を抱えている銀行が20数行あった。 当局から引当金の積み増しを迫られる銀行がさらに増える可能性があることは金の下支 え要因である。 1月の英消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%上昇とで前月と同じだった。事 前予想の4.2%上昇を下回った。また第4四半期の英国内総生産(GDP)は前期比 0.3%減と事前予想の0.1%減を下回った。第3四半期も0.1%減少しており、 英国が昨年下半期に景気後退入りしたことを示した。ただイングランド銀行のグリーン 政策委員は、物価上昇が緩和する兆しが出ていることには勇気づけられるとしながら も、利下げに賛成票を投じるにはインフレ緩和の一段の証拠が必要になるとの見解を示 した。一方、第4四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)改定値は前期比横ばいだっ た。速報値と一致した。第3四半期のGDPは前期比0.1%減だった。2四半期連続 のマイナス成長と定義されるテクニカルリセッションを辛うじて回避した。欧州中央銀 行(ECB)のラガルド総裁は、賃金の上昇がこれまで以上に重要なインフレ要因にな っていると指摘し、利下げを急がないよう警告した。 【金ETF残高は減少】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は15日時点で 1032.24トンとなり、前週末比4.87トン減少した。米国で4.61トン、英 ETFSで0.26トン減少した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退を受 けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告に よると、2月6日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは16万1738枚と なり、前週の14万7791枚から拡大した。今回は新規買いが9401枚、買い戻し が4546枚入って1万3947枚買い越し幅を拡大した。 イスラエルのネタニヤフ首相は9日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファから民間人 を退避させると同時に同地域に残っているイスラム組織ハマスの戦闘部隊を壊滅させる 計画を策定するよう軍に指示したと明らかにした。イスラエル軍は12日、パレスチナ 自治区ガザ最南部ラファで特別部隊による作戦を実施し、人質2人を救出した。救出作 戦と同時に空爆を実施した。ドイツのベーアボック外相は、130万人が避難している ラファへのイスラエル軍による攻撃は人道的大惨事になると述べており、今後の行方を 確認したい。一方、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラは15日、レバノン南部に対 するイスラエル軍の攻撃で子ども5人を含む10人の民間人が死亡したことを受け、イ スラエルは「代償を払う」ことになるとした。 【銀は米利下げ観測後退もドル高一服で下げ一服】 銀の現物相場は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測の後退を受けて昨年11 月以来の安値21.92ドルを付けたのち、ドル高一服をきっかけに下げ一服となっ た。1月の米消費者物価指数(CPI)が事前予想を上回り、米連邦準備理事会(FR B)の利上げ開始は6月との見方が強まった。ただ予想以下の英CPIなどを受けて米 国債の利回り上昇が一服すると、ドル高が一服し、銀に買い戻しが入った。今後発表さ れる経済指標と金融政策の見通しを確認したい。 15日のニーヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比51.23トン 減の1万3635.56トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建 玉明細報告によると、2月6日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは1万 6880枚となり、前週の2万1426枚から縮小した。新規売りが新規買いを上回っ た。 当面の予定(イベント・経済統計) 19日 ●米国(大統領の日) 機械受注 2023年12月(内閣府) 英住宅価格指数 2024年2月(ライトムーブ) 20日 ユーロ圏国際収支 2023年12月(ECB) 米景気先行指数 2024年1月(カンファレンスボード) 21日 貿易収支 2024年1月速報(財務省) 米FOMC議事録公表 1月30-31日(FRB) 22日 ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年2月速報(Markit) ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年2月速報(Markit) ユーロ圏消費者物価指数 2024年1月確報(EUROSTAT) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米中古住宅販売統計 2024年1月(全米不動産協会) 23日 ●天皇誕生日 中国住宅価格指数 2024年1月(国家統計局) 独国内総生産 2023年10-12月期確報(連邦統計庁) 独景況感指数 2024年2月(ifo) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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