石油週間見通し=全値戻しに届かず、引き続き中東情勢には注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油4月限は1月29日の高値79.09ドルから2
月5日の安値71.49ドルまでの下げ幅の78.6%戻し(77.46ドル辺り)を
すでに達成しており、全値戻しの79.09ドル、それを抜けると80ドルの節目、さ
らには1.618倍戻しの83.79ドル辺りまで上値余地が拡大するとした。

【NY原油全値戻しの79.09ドルに届かず】
 ニューヨーク原油4月限のここまでの高値は20日の78.56ドルで、全値戻しと
なる1月29日の高値79.09ドルには到達していない。本稿執筆時の22日午後の
時点では78ドルの節目を挟んだもみ合いが続いている。
 まだ目先の上値メドとしては、全値戻しの79.09ドル、それを抜けると80ドル
の節目、さらには1.618倍戻しの83.79ドル辺りまでの上昇もあり得るとの見
方は維持するものの、24日(土曜で取引なし)が満月で天井を付ける時間帯に入って
きていることを考えると、短期的には80ドル台に届かずにダブルトップを付ける可能
性も考えておきたい。

 材料的には、引き続き中東地域の地政学的リスクが懸念される。20日には国連安全
保障理事会で、パレスチナのガザ地区での即時停戦を求める決議案が米国の拒否権で否
決された。避難民で膨れ上がっている南部ラファへのイスラエル軍の地上侵攻が懸念さ
れているが、一方で23日からパリで休戦交渉再開されるとの報道もあり、動向に注目
したい。
 ただこれまで何度か指摘しているように、現状は原油の供給自体に大きな不安が生じ
るような状況ではないため、原油が急騰する可能性は低いだろう。逆に前述の休戦交渉
が仮に妥結した場合はこれまでの反動で急反落することも十分考えられる。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は引き続き3万8000ドル台後半の
の過去最高値圏でのもみ合いとなっている。
 ドルインデックスは高値から反落基調となっており、直近は104ポイント台を割り
込んだ。

【米国の原油在庫の増加傾向が続くかにも注目=EIA週報】
 米国内に目を移すと、祝日の関係で、通常より一日遅れで22日に発表される直近の
米エネルギー情報局(EIA)の週報にも注目したい。原油在庫はこれまで3週連続で
増加しており、さらに増加傾向が続くのかが注目される。なお前日の21日に発表され
た米石油協会(API)の週報では、前週比716万8000バレル増と大幅増となっ
ていた。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である7月限は緩やか上昇基調となっているボリンジャーバンドの
1シグマ(7万3270円辺り)におおむね支持される値動きが続いてきたが、直近は
それを割り込んできた。。
 ガソリン先限は名目値で8万1000円の横ばい。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油4月限は1月29日の高値79.09ドルには届かず、緩やか上昇
基調となっているボリンジャーバンドの1シグマ(77.78ドル辺り)を挟んだ高下
となっている。


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