[4月8日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2025 年 2 月限 4 月 1 日〜 4 月 5 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 10,931 11,234 ( 4) 10,878 ( 2) 11,079 +120 銀 123.0 134.0 ( 4) 120.2 ( 2) 130.0 +6.5 プラチナ 4,416 4,582 ( 5) 4,374 ( 2) 4,484 +66 パラジウム 4,990 4,990 ( 1) 4,990 ( 1) 4,990 +190 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 5 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 6) 2,345.4 +107.0 | ドル・円 151.20 0.22 円高 銀 ( 5) 2,750.3 +258.7 | 日経平均 38,992.08 -1377.36 プラチナ ( 7) 940.6 +19.5 | NY原油 ( 5) 86.91 +3.74 パラジウム ( 6) 1,007.40 -14.10 |* ドル・円は15時15分現在、原油は 5日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は欧米の利下げ見通しや米国債の利回り低下が支援要因、とした。 金は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しや地政学的リスクの高まりを受けて 買い優勢となった。現物相場は史上最高値2304.13ドルを付けた。金先限は上場 来高値1万1234円を付けた。 米PCE米個人消費支出(PCE)デフレータは前年比2.5%上昇と事前予想と一 致した。1月は2.4%上昇。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、米PCE デフレータは「私たちの期待に沿った」内容だったとの見解を示した。一方、3月の米 ISM製造業景気指数は50.3と、前月の47.8から上昇し、節目となる50を1 年半ぶりに上回った。ただ米ISM非製造業総合指数は51.4と前月の52.6から 低下した。低下は2カ月連続。投入価格指数が4年ぶりの低水準となり、インフレ見通 しにとって良好な兆しを示した。2月の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は 875万6000件と下方改定された前月分の874万8000件(前回発表886万 3000件)から増加した。事前予想は874万件。減少傾向に変わりはないが、過剰 需要の減少が極めてゆっくりとしか進んでいない。ただ米新規失業保険申請件数は前週 比9000件増の22万1000件となった。事前予想の21万4000件を上回り、 労働市場の緩和を示唆した。米FRB議長は年内の利下げが適切という見解でおおむね 一致しているが、「このところの雇用とインフレの指標はいずれも予想を上回ってい る」と指摘し、利下げを開始する前にさらなる議論と経済指標の点検が必要との認識を 改めて表明した。米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、先月の連邦公開市場委 員会(FOMC)では年内2回の利下げを見込んだが、「インフレ率が横ばいで推移し 続けるなら、利下げを行う必要があるのか疑問視される」と述べた。 3月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)速報値は前年比2.4%上昇と事前予 想の横ばいに反して前月の2.6%上昇から伸びが鈍化した。コアインフレ率は前月の 3.1%から2.9%に低下。予想の3.0%を下回った。欧州中央銀行(ECB)理 事会メンバーのデコス・スペイン中銀総裁は、ユーロ圏のインフレ鈍化が続いているこ とを踏まえると、ECBは6月に利下げを開始する可能性があると述べた。またECB が公表した3月6〜7日の理事会の議事要旨で、インフレ率が目標とする2%に戻りつ つあるとの認識を示し、利下げを実施する論拠が強まっているとの確信を強めているこ とが分かった。一方、3月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)改 定値は50.3と前月の49.2から上昇した。節目となる50を2023年5月以来 初めて上回った。速報値の49.9から上方修正された。 【金ETF残高は増加】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は4日時点で 1024.09トンとなり、前週末比2.27トン増加した。米国で2.30トン増 加、英GBSで0.03トン減少した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを 受けて投資資金が戻った。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告に よると、3月26日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは19万9294枚 となり、前週の20万1602枚から縮小した。今回は手じまい売りが1万3085 枚、買い戻しが1万0777枚入って2308枚買い越し幅を縮小した。 シリアの首都ダマスカスで1日、イラン大使館周辺にイスラエル軍戦闘機によるもの とみられる攻撃があり、イラン革命防衛隊の上級司令官ほか、複数の外交官が死亡し た。イランのライシ大統領は2日、イラン大使館周辺が空爆され軍司令官など7人が死 亡したことを受け、イスラエルに対して報復すると表明した。イスラエル軍は4日、全 ての戦闘部隊の休暇を一時的に停止すると発表した。ネタニヤフ首相は「イスラエルに 危害を加えようとする者が誰であろうと対抗するという単純な原則に従って行動する」 と述べた。ある関係筋は、イランが衝突を望んでいないのは明白で、報復すれば衝突を 招き得るという「ジレンマに直面している」と指摘しており、イランの動きを確認した い。一方、北大西洋条約機構(NATO)は、ブリュッセルの本部で開いた外相会合 で、ウクライナに対する長期軍事支援計画を開始することで合意した。ただストルテン ベルグ事務総長が提案したウクライナ軍事支援のための1000億ユーロ規模の基金を 設置する案については見解が割れた。ロシア大統領府のペスコフ報道官は、「NATO とロシアの関係は今や直接対決のレベルにまで到達している」と指摘した。この発言に 対し、ストルテンベルグ事務総長は、NATOはウクライナ紛争の当事者ではなく、今 後も当事者になることはないと述べた。ウクライナは、ロシア南東部タタールスタン共 和国にある最大級の製油所を無人機(ドローン)で攻撃しており、今後の戦闘の行方を 確認したい。 【銀はドル安や金堅調が支援】 銀の現物相場は、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となり、2021年6月以来の高 値27.29ドルを付けた。中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)や米ISM製 造業景気指数が節目となる50を上回り、工業用需要が底堅く推移する可能性があるこ とも支援要因である。ただニューヨークの指定倉庫在庫が増加しており、実需筋の売り が続くと、上値を抑える要因になるとみられる。 4日のニーヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比411.37トン 増の1万3601.92トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建 玉明細報告によると、3月26日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは5万 0836枚となり、前週の5万2435枚から縮小した。新規売りが新規買いを上回っ た。 当面の予定(イベント・経済統計) 8日 国際収支(経常収支) 2024年2月(財務省) 独貿易収支 2024年2月(連邦統計庁) 独鉱工業生産指数 2024年2月(経済技術省) 9日 仏貿易収支 2024年2月(INSEE) 10日 ●トルコ(砂糖祭) 企業物価指数 2024年3月(日本銀行) 政策金利公表(NZ準備銀行) 米消費者物価指数 2024年3月(労働省) 米卸売在庫 2024年2月確報値(商務省) 米FOMC議事録公表 3月19-20日(FRB) 米財政収支 2024年3月(財務省) 政策金利発表(カナダ銀行) 11日 ●トルコ(砂糖祭) 中国消費者物価指数 2024年3月(国家統計局) 中国生産者物価指数 2024年3月(国家統計局) 理事会結果公表(ECB) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米生産者物価指数 2024年3月(労働省) 12日 ●トルコ(砂糖祭) 中国貿易収支 2024年3月(税関総署) 独消費者物価指数 2024年3月確報(連邦統計庁) 英貿易収支 2024年2月(国立統計局) 英鉱工業生産指数 2024年2月(国立統計局) 米輸出入物価指数 2024年3月(労働省) 米消費者信頼感指数 2024年4月速報値(ミシガン大) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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