貴金属は、軒並み上昇して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク高を受けて買い優 勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク高を受けて堅調と なろう。 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は26.56ドル高 の3562.55ドル、銀が26セント高の4109セント、プラチナが22.80ド ル高の1418.50ドル、パラジウムは7.00ドル高の1138.50ドル。 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=148.03/05円で、前営業日の 大引け時点から0.53円の円高。 先限の寄り付き目安は、金が1万7100円前後、銀は194.5円前後、プラチナ は6250円前後、パラジウムは5400円前後。 【NY金は予想以下の米求人件数が支援】 金はきのうの海外市場は、予想以下の米求人件数を受けて買い優勢となった。 金は予想以下の米求人件数が支援要因になった。7月の米雇用動態調査(JOLT S)によると、求人件数は718万1000件と前月から17万6000件減少した。 求人件数が10カ月ぶりの低水準に落ち込む一方、解雇件数は増加し、新型コロナウイ ルスのパンデミック(世界的な大流行)以降で初めて失業者数が求人数を上回った。市 場予想は737万8000件だった。労働市場の減速に対する懸念を受けて米連邦準備 理事会(FRB)の利下げ観測が高まった。 トランプ米大統領は、ロシアがウクライナとの紛争終結に向けて関心をほぼ示さない 中、「プーチン大統領へのメッセージはない」とし、決定を待つと述べた。ロシアのプ ーチン大統領は、ウクライナでの戦争について「良識が働けば」交渉を通して終結させ る余地があるとし、そうした選択肢を望むと述べた。ただ、武力を通した終結が唯一の 解決策となる場合は、その道を選ぶ用意があるとの認識も示した。ウクライナのゼレン スキー大統領がモスクワを訪問すれば首脳会談は実現するだろうとしつつ、会談に価値 があるかは不明という認識を示した。 銀はきのうの海外市場は、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。 【プラチナはドル安や金堅調が支援】 プラチナはきのうの海外市場では、ドル安や金堅調が支援要因になったが、買い一巡 後は上げ一服となった。 プラチナはドル安や金堅調が支援要因になった。予想以下の米求人件数を受けて米連 邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が高まった。一方、米地区連銀経済報告(ベージ ュブック)によると、12地区連銀の多くが、前回報告から経済活動にほとんど変化が ない、または全く変化がないとの認識を示した。4地区が控えめな成長を報告した。 8月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は51.0と、 前月の50.9から上昇し、12カ月ぶりの高水準となった。ただ、昨年5月以来の新 規受注増にもかかわらず、サービス業の伸び悩みが製造業の生産高改善を相殺し、わず かな上昇にとどまった。 <今日の予定> ・ユーロ圏小売売上高 2025年7月(EUROSTAT) ・全米雇用報告 2025年8月(ADP) ・米貿易収支 2025年7月(商務省) ・米新規失業保険申請件数(労働省) ・米非製造業景況指数 2025年8月(ISM) MINKABU PRESS 東海林勇行
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