FOMC議事録への反応は一時的 ドル円は110円台半ば=NY為替後半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 NY時間の終盤に入ってドル円は110円台半ばで推移。午後になってたFOMC議事録が公表された。大半が追加利上げがすぐに適切になると見ていることが明らかとなった一方で、貿易と住宅、新興国市場が下振れリスクとも指摘している。発表直後にはドル売りの反応が強まったものの動きは続かず、直ぐに発表前の水準に戻した。想定範囲内でもあり、議事録の中身以上にドルロングの調整の流れが左右したものと思われる。

 きょうのNY為替市場でドル円は買い戻しが優勢となっており、一時110.60円近辺まで上昇。前日はNY時間の終了間際にトランプ大統領の弁護士だったコーエン被告が選挙違反で有罪答弁を行ったことでトランプ政権への不透明感からドル円は急速に戻り売りに押され、本日の東京時間には110円割れを試す場面も見られていた。

 ドル自体は依然として調整ムードが続いているが、株式市場が底堅く推移しており、円安の動きが110円台をサポートしていた。

 きょうのNY株式市場の動向が注目されたが、ダウ平均はマイナス圏で推移しているものの、小幅な下げに留まっており、リスク回避の雰囲気は強まっていない。米国債利回りも序盤の下げを取り戻す中、ドル円も買戻しが優勢となっているようだ。

 ユーロドルは伸び悩んでいるものの、きょうは一時1.1620ドル近辺まで上昇。きょうで6日続伸しておりユーロの買戻しが続いている。チャートのローソク足は21日線水準の上を回復してきており、リバウンド相場への期待感が高まる動き。特にユーロ自体に買い戻す材料は見当たらないが、ドルロングの調整が強まっており、ユーロドルを押し上げているようだ。

 ただ、景気回復が依然として鈍い状況に変わりはない。明日はユーロ圏のPMIの速報値が発表になり注目されるが、予想では米英のような強い回復を示す予想にはなっていないようだ。ユーロドルは上げが続いているものの、あくまでドルロングの調整による自律反発の範囲との見方が多いようだ。

 ポンドも同様の展開で買い戻しが優勢となり、ポンドドルは1.29ドル台を回復している。1.30ドル台を回復できるか重要な局面に入ってきている。合意なき離脱に関してポンドは十分織り込んだとの指摘も出て来てるようだが、時期尚早であろう。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美
 

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